旬一番 花の香りと
もちがつお
春。
黒潮に乗って日本列島を北上する鰹を初鰹といい、江戸の昔から珍重されてきた。初鰹のなかでも南紀の近海で漁穫される鰹は「もちがつお」と呼ばれる。
つきたての餅のようなモチモチとした食感
から、その名がついている。ケンケンという漁法で釣られるため、一尾ずつ丁寧に扱われ鮮度が落ちにくい。しかも、釣り上げて十時間以内に食卓に届けられることで、鮮度が命のもちがつおが存在する。包丁の刃が身にくっつき、うまく切れないほどのモチッとした柔らかさは、他に類を見ない。
ほととぎす 鳴くまで待てぬ もちがつお