名勝地・景勝地
【虎ケ峰】
ここは標高七八九メートルの虎ケ峰である。峠には樹齢三百年といわれている杉の大木が、日高・西牟婁にまたがり天空に聳えて、人々は虎ケ峰の一本杉と呼んでいる。大木の根元には苔むした一基の地蔵尊が黙念とたたずんでおり、かつての旅人たちは一物を供え一枝をたむけ旅の安全を祈念していた。しかし現在は県道が峠の真下を通り、古道を訪れる人もなく、地蔵尊は落葉に埋まり、くたびれ果てたよだれ掛けに童女とあるが、哀愁をいざなうかのようである。
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